クリスマスまであともう少し

 「せんせい、今日、練習ある?」 年少のAちゃんから尋ねられ、「ううん、もうないよ。この間の日曜日にクリスマスお祝い会で、うさぎさんの衣装を着て、お母さん達にみせたでしょ。あれで、終わりだったんよ。」 「ふ~ん」・・・。

 クリスマスのこと、イエス様のことも、なんだかぼんやり理解している年少さんにとって、初舞台だったあの日から、2日目の朝のことでした。

 練習が始まった当初、Aちゃんの声は、口に耳をちかづけないと聞こえないくらいでした。練習がいやなのかなと、心配していたある日、朝の着替えのとき、劇担当の私と出会うと、 「せんせい、練習たのしい!」 とニコニコ顔をこちらに向けてくれました。そして、本番! 「わぁ、おいしそうなパン!」 「うさぎさんにも半分あげるよ」 のあとに 「くまくん、ありがとう!」 とピアノの私のところまではっきりときこえた時は、ホッとしてうれしくて、ピアノを弾く指が踊ってしまいました。

 みんなでつくりあげた手作りの劇を、イエス様へのお誕生プレゼントとして、お捧げすることができ、心あたたまる日となりました。